コラム
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こんにちは!株式会社ディ・クリエイトの管理栄養士、佐藤です。
普段は食事や水分補給、睡眠といった栄養・健康面からの具体的なアドバイスをお届けしていますが、
今回は少し雰囲気を変えて、私自身が休日中に感じたことや、少し感情的な思いも含めたお話をさせてください。
先週のシルバーウィーク、雨で一日中家から出ない日がありました。
そのとき動画配信サービスで観たのが、アニメ映画『時をかける少女』です。
主人公がタイムリープを使って過去をやり直していく物語ですが、作中で深く心に刺さるメッセージがあります。
それは、「どんなに時間を戻せても、失われた人の感情や途絶えた命まで、完全に元通りにすることはできない」
という切ない事実でした。
その映画を観ながら、私は数週間前に目にした痛ましいニュースを思い出していました。
【参照ニュース】
『「ギャンブルの借金で費用払えず治療器具を返却」
“睡眠時無呼吸症候群”で歩行者をはね死亡させた男… 危険運転致死の罪で在宅起訴』(TBS NEWS DIG)
重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されていた34歳の配送ドライバーが、
強い眠気から意識障害を起こして歩行者をはね、尊い命を奪ってしまった事故です。
彼はギャンブルで作った借金により毎月の医療費が払えなくなり、治療器具を返却して治療を中断していました。
さらに直前にも居眠りが原因とみられる事故を起こしながら、「あと少しなら大丈夫」と運転を続けてしまっていたのです。
このニュースを見たとき、胸が締め付けられるような思いがしました。
「自己責任だ」「甘えだ」と彼一人を非難し、排除してしまうのは簡単です。
ですが、そして同じ社会で生きる一人として、
本当にそれだけで片付けてしまっていいのだろうかと深く考えさせられました。
彼はなぜ、そこまで追い詰めてしまう前に立ち止まれなかったのでしょうか。
夜間の運行や不規則なシフト、一人でハンドルを握り続ける長時間の孤独、
なかなか解消できない疲労やストレス……。
もしかすると、日々のプレッシャーや人知れぬ悩みの中で逃げ場を失い、
精神的に孤立した結果としてギャンブルに頼ってしまい、
気づいたときには生活も治療も立ち行かない負のスパイラルに陥っていたのかもしれません。
交通事故の裏側には、単なる「運転ミス」や「不注意」だけでは片付けられない、
一見すると想像もつかないような個人的・社会的な背景や人間的な苦悩が潜んでいることがあります。
だからこそ私たちは、「自業自得だ」と切り捨てるのではなく、
「なぜそうなるまで誰にも頼れなかったのか」「周りや会社としてどう支えられたのか」
という背景をみんなで考えていきたいのです。
もし彼が、「実は借金で治療費が払えない」「眠気が強くて運転が怖い」
と誰かに打ち明けられる環境があったなら、未来は変わっていたかもしれません。
・金銭的・生活的な困りごとを抱えたときに、安心して相談できる窓口や仲間の存在があること
・SASなどの持病の治療を中断しそうになったとき、現場でSOSを出せる雰囲気にすること
・強い眠気や体調不良を感じたときに、「休む」という選択を咎めない運行管理
睡眠時無呼吸症候群の治療を続けることや、不調時に車を止めて休むことは、
個人の精神論だけで解決できるものではありません。
「一人で抱え込ませない現場づくり」こそが、二度と惨劇を繰り返さないための最大の防衛策になります。
映画の世界と違い、私たちの生きる現実にタイムマシンはありません。
「あのとき治療を続けていれば」
「あのとき誰かに『助けて』と言えていれば」
「あのとき無理をせず、車を止めて休んでいれば」
どれほど深く後悔し、涙を流したとしても、奪われた命と起きてしまった事故の瞬間を巻き戻すことは不可能です。
たった一度の無理や、誰にも言えなかった抱え込みが、見知らぬ誰かの未来を奪い、
ドライバー自身の人生を壊し、双方の家族が築いてきた温かい日常を一瞬で崩壊させてしまいます。
その重すぎるリスクは、誰一人として背負いきれるものではありません。
雨の休日に一歩も外に出ず、家で穏やかに過ごす時間。
運行を無事に終え、「お疲れ様」と声を掛け合って車庫を後にする時間。
自宅で待つ家族とご飯を食べ、他愛もない会話で笑い合う時間。
私たちが普段「当たり前」と感じているその日常は、道路を行き交う一人ひとりのゆとりと、
周りを思いやる優しさによって支えられている奇跡のようなものです。
安全運転とは、自分の命を守ることであると同時に、すれ違う人々の幸せ、
そして「自分と同じように悩みや葛藤を抱えながら働く仲間」を守ることでもあります。
「時間を戻すことはできない」からこそ、私たちは今、目の前にある体調のサインと、
隣にいる仲間の存在を大切にしなければなりません。
いつも以上に感情的な文章になってしまいましたが、
今日ハンドルを握る皆さんが心と体に少しのゆとりを持ち、
何かあればいつでも互いに助け合える運行を行えるよう、心から願っています。
「今日も無事で、本当によかった」――その当たり前で一番尊い瞬間を、全員で守っていきましょう。
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