コラム
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今すぐ無料相談「ついていなかった」は事故の本質を隠す言葉。運ではなく習慣に潜む原因と、再発防止の考え方を解説します。

一時停止のある交差点で停止せずに進入し、自転車と出会い頭の事故を起こしたドライバー。
現場検証を終えて会社へ戻ってきたその表情には、落胆の色がにじんでいました。
ドライブレコーダーがまだ普及していなかった頃、
事故報告書を前に、運行管理者が厳しい口調で問いただす光景は珍しくありませんでした。
もちろん、その指摘自体は間違っていません。
停止していれば、防げた可能性の高い事故です。
しかし、その横で黙って立ち尽くしているドライバーの頭の中は、別のことでいっぱいです。
早くこの時間が終わってくれないか。
相手のけがは大丈夫だろうか。
免許の点数はどうなるのか。
罰金はあるのか。
会社でどれだけ叱られるのか。
次の乗務もある。
早く気持ちを切り替えなければならない。
事故を起こした直後のドライバーが、真っ先に「二度と事故をしない」と
深く反省できるかといえば、現実はそう単純ではありません。
その結果、
自身の運転に潜む “事故の芽” は、刈り取られないまま残ってしまうのです。
「部長、今日は本当についていなかったです。配車は続けざまにキャンセルになるし……。おまけに事故まで」
「あの道路はいつも通っているので分かっているんです。あの時間帯は、ほとんど人も通らないんです。
それに、停止線の位置で止まっても見えにくい交差点なんです」
この言葉には、事故の本質が隠れています。
つまり本人は、事故の原因を “運の悪さ” や “環境のせい”として受け止めているのです。
そこに、自分の判断や習慣への視点はまだありません。
ドライブレコーダーの普及によって、事故は報告書の図だけではなく、
映像で客観的に確認できるようになりました。
本来であれば、この時点で「なぜ止まらなかったんだ」という表面的な指導から、一歩先へ進めるはずでした。
ところが現実には、事故の瞬間だけを確認して終わってしまうケースも少なくありません。
私は事故映像を見るたびに、いつも考えます。
このドライバーは、事故の前に一時停止交差点をどう通過していたのか。
事故処理を終えて会社へ戻る途中、一時停止交差点をどう通過していたのか。
そこまで確認されているだろうか、と。
- 事故前の映像には、普段どおりの運転が映っています。
- 事故後の映像には、事故直後に行動が変わっているかが映っています
- 指導後の映像には、学びが行動に反映されたかが映っています。
この三つを確認して初めて、再発防止指導は完成します。
もし指導後も事故前と同じ運転を続けているなら、
私たちDe-Createの事故防止教育では、
ドライブレコーダー映像を“疑似体験教材”として活用しています。
他者の事故映像を通して、
危険を自分ごととして受け止め、「自分ならどうするか」を考え、行動を変えていく。
それこそが、映像教育の本当の価値です。
一日の仕事の中で、ヒヤッとしたり、ハッとしたりする場面は何度もあるはずです。
しかし事故にならなければ、人は
「今日も無事だった」
「自分は大丈夫だった」
と思ってしまいます。
たまたま相手が避けてくれたのかもしれない。
たまたま歩行者がいなかったのかもしれない。
たまたま今日だけ、事故にならなかったのかもしれない。
一時停止交差点で事故を起こした乗務員が、
「今日はついていなかった。いつもなら大丈夫だったのに」
と思うのではなく、
「今まで何度も同じことをしていたのに、事故にならなかったのは偶然だった」
と気づくこと。
そこから初めて、本当の事故防止が始まります。
ドライブレコーダーは、ドライバーの正しい行動も、誤った判断も、ありのままに残す “証言者” です。
単なる記録装置で終わらせるのではなく、事故防止のための最高の教育ツールとして使い切っていただきたい。
それが、現場で事故と向き合ってきた私の率直な願いです。
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