コラム
交通安全に関する知識やノウハウを分かりやすく解説
交通安全の教育・研修をお考えですか?
サービスについて問い合わせるドラレコ映像を見せても事故が減らないのはなぜか。 交通事故防止のプロが実践する、映像選定の本質を解説します。

交通事故防止に効果的なドライブレコーダー映像とは、どのようなものなのでしょうか。
私は20年以上にわたり、ドライブレコーダー映像を活用した
交通事故防止セミナーやコンサルティングを行ってきました。
その中で、強く感じていることがあります。
それは、
ドライブレコーダー映像の「選び方」を間違えている人が、非常に多い
という事実です。
よく耳にするのが、
「とにかく大きな事故映像を見せればいい」
という考え方です。
しかし、これでは事故は減りません。
なぜなら、運転者はその映像を
映画を見るような感覚で見てしまうからです。
「すごい事故だな」
「怖いな」
そう感じることはあります。
しかし同時に、無意識のうちにこう考えています。
「これは自分とは違う」
「ここまでの事故は起こさない」
こうして事故は、あっという間に他人ごとになってしまいます。
では、どのような映像を選べばよいのでしょうか。
答えは、とてもシンプルです。
受講者が起こしそうな事故の映像
あるいは
ヒヤリ・ハットの映像
を選ぶことです。
・自分でもやりかねない
・普段の運転で見覚えがある
・「これ、危なかったな」と感じる
こうした映像こそが、
運転者の心に引っかかります。
なぜ、このような映像が効果的なのでしょうか。
それは、
運転のレベル感が一致するからです。
自分の運転と近い。
自分の日常と重なる。
だからこそ、映像を見た瞬間に
「これは自分の話だ」
と感じることができます。
その瞬間、事故は
「他人の出来事」から
自分の二次体験へと変わります。
二次体験が起こると、
運転者は自然と自分の運転を振り返り始めます。
「ここ、減速していなかったな」
「自分も同じことをしているかもしれない」
この立ち止まる瞬間こそが、
運転行動を変えるきっかけになります。
ドライブレコーダー映像は、
反省させるためのものではありません。
考えさせるためのものです。
ドライブレコーダー教育で最も重要なのは、
映像のインパクトではありません。
重要なのは、
受講者のレベル感に合わせること。
・この人が起こしそうな事故か?
・この人がヒヤッとしそうな場面か?
必ず、そう自問しながら映像を選んでください。
ドライブレコーダーは、
正しく使えば、確実に運転行動を変えます。
